2008年 2月 13日 (水) 18:26
サモエドのコボは、誕生の時の事故(陣痛微弱、早期破水、逆子)で低酸素症による脳性マヒになった。心肺停止状態から復活し、運動機能障害はあるものの、あるがままに、いや、それ以上に努力して(本人は努力と思っていないが)明るく生きている。
他の犬に比べれば、確かに私や女房の手間は数十倍になる。でも45分間に及ぶマッサージで助かった命、これも天から授かった可愛い命である、できうる限りの世話はしてきたつもりである。
私はコボの成長を、少し離れた感じで論理的に観察する習慣をつけるようにしてきた。肉体的なもの、精神的なもの、さらには知能的なもの、そこから派生する行動学的なものに、多いに興味があった。
その中で、最近の驚きは、コボの人間語理解力である。コボがしっかり理解していると思われるものを、いくつか羅列してみよう。
*「あんぱん」
これはもう、あきる野の時から皆さん、良く御存知である。この
魅惑的な単語を私が口にすると、コボの体は跳ね、舌なめずり、そ
してよだれが流れ落ち、どこにいても私の胸に駆け寄ってくる。
*「コボ、水は?」
コボは普通の感じで水おけで飲むことができない。バケツを置
き、その上に水おけを重ねて設置し、水位を高くしてある。時々、
その場所に自分で行ってなんとか飲むこともあるが、基本的に立っ
たまま静止するのが難しく、バケツを押倒してしまうことが多い。
そこで、私や女房はタイミングをみて「水」と声をかける。する
とコボが飲みたい時は、自らバケツに駆け寄って行く。意地悪く私
がバケツの位置をずらしたところ、いつもの場所にないことに気付
き、ヘッドギアのせいであまり回らない首を振り、離れた位置にあ
るバケツを発見、嬉しそうに跳ねて行き、バケツの手前で私を振り
返り、飲みやすくなるように体を支えてと瞳で訴えた。コボは飼い
主づかいが荒い。
*「コボ、さあ入るよ、ちょっと忙しいから、柵に戻って!」
この長い言葉を聞くと、コボは私から離れようとする。それを無
理矢理捕まえ、ハ−ネスを曵いて誘導しようとするのだが、コボは
足を踏ん張って抵抗する。明らかに「入る」という言葉の意味を理
解し、それを嫌っている。
*「コボ、散歩に行こうか!」
これは嬉しいことと理解している。聞くとすぐに、普段はめった
に使わない我が家へのアプローチの方へ体を向け、嬉しそうに先
に立って駈け足をみせる。
コボはワンと吠えることができない、そして思いのままに行動することも難しい。だからこそ、私や女房の言葉に対する反応が分りやすい。これからもともに暮らしながら、コボの生き方(あいつなりの処世術)を見つめていきたい。
犬の人間語理解に関しては、面白く、そして感嘆することがいっぱいある、この続きは次回とさせていただこう。
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