2007年 1月 24日 (水) 17:37
昔、私も生まれて1ヶ月頃の子犬が可愛いと思っていた。おぼつかない足取り、みゅーみゅーと鳴く心くすぐる声。そんな時期の子犬を手元に置きたかった。
しかし、動物王国でたくさんの犬たちと暮らしているうちに、それは人間の勝手な思い込みであり、子犬にとっては迷惑なことだと気づいた。
今、私は大声で宣言している、
「どうか、子犬を家族にされる時は、最低でも母犬、兄弟たちと2ヶ月以上いっしょに暮らしていた子から選んで下さい。そうすると、免疫力、犬付き合いの面で飼い主さんの負担は軽くなります、時間をかけて離乳をした子犬は、骨も心も強くなっています、安心度があがります!」
さらに付け加えることもある。
「できれば生まれ、育っている所で、母犬や兄弟犬を見せてもらい、その上で決めると良いと思います」
ペットショップを経営している友人は、
「そりゃーそうなれば言うことはないけれど、まだまだ日本では無理かな。どうしても生後40日前後の子犬を可愛い、売り頃、買い頃と思っているからね。お客さんもショップもそれに備えているからね」
それでも彼は、ここ数年、ブリーダーさんと話し合い、ショップには情報だけを置き、子犬は生まれ育った家からの直送を試みている。彼の収入は子犬の紹介料である。これはけっこう評判がいいうえに、生後30日で仕入た時の離乳に関わる心配(下痢や体重が増えないなどの)から解放されるので、自らのストレスが少ないと言っている。
人間の赤ちゃんを育てたお母さんに聞いていただくと分かるが、ある日までミルク、その次の日から離乳食とはしていないだろう。必ずミルクを飲ませながら離乳食を与え、時間をかけて切り替えていくはずである。赤ちゃんの体内で出ている様々な消化液や消化酵素も、そのような穏やかな変化に対応している。
今、ラブラドールのユニが初めての出産育児をしている。明日で生後2ヶ月、ユニはまだミルクを与えると同時に、自分が食べた餌を子犬の前で吐きもどし、離乳食として食べさせている。
もちろん女房も1日2回離乳食を作っているので、7匹の子犬はまるまるぷくぷく状態である。
これが健康な子犬の育ち方である。
重ねて強調するが、生後60日、1回目のワクチン接種を終え、抗体価が上がる2週間後までは、子犬を移動すべきではないと私は考える。
この結論に至るまでの過去の長い時間(犬たちが教えてくれた)、その機会を大切にしてきたことに誇りを持っている。
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