日記
2007年 1月 3日 (水) 01:58


犬とネコ・異種動物の同居
by ubu

 数日前、まだ暦は2006年だった頃、若いカップルから相談を受けた。

「私はアパートで4歳のトイ・プードルを飼っています。彼はマンションで2歳になるネコと暮らしています。5月に結婚をするのです。彼の所で暮らします。
 そこで相談なんですが、大人になった犬とネコが一緒に生活するのは難しいのでしょうか。ふたりともそれぞれの獣医さんに、動物にストレスがかかるから考え直すように言われたんです。でも実家には預けられないし、困っています・・・」

 犬とネコである、私は笑顔で、大きな声で応じた。

「まったく問題ありません。これが元気盛りの玉付きのオス犬同士だったら、少し考えます。どのようにしてもケンカがおさまらないこともあり得ます。でも、犬とネコ、異種動物だったら必ず調和します、ご安心を!」
 
「でも私の犬は、散歩中にネコを見つけると吠えるし、追いかけようとするんですよ。そんな子でもネコと仲良くできますか?」

 静かな笑顔で一言も語らない男性と、3本の指で互いの手を絡め合ったまま、女性が心配事を続けた。

「最初はネコが恐がったりすることもあります。状態を見ながら作戦を考えましょう。2匹を隔離するのではなく、互いに存在を確認できる状況を用意するのがコツです。違う部屋に置いても匂いや声、雰囲気でそれぞれを認識し、見えない事で逆にイライラを強くするのですから、姿も判る形が馴れ、仲良しへの第一歩になります。恐がりネコには大きなケージが役立ちます。人間が仲を取り持つヒマがない時などは、そこに入れましょう。餌は互いが見える所で与えましょう」

「生き物は、同じ種同士でのストレスは大きくなります。特に群れ型の動物はその傾向が強いのです。犬、馬、そして人間もそうですね。見て下さい、そこで昼寝をしている柴犬のミゾレとラブラドールのタブ、くっついていないでしょう、1mは離れているでしょう、これが安心の距離です。ところが、ほらっ、机の上のマスターとトク蔵、抱き合って寝てますよ。ネコは単独行動型だから相手との距離をあまり問題視しないんです」

「あっちのテーブルを見て下さい。センとキンコ、犬とネコが仲良くしています。同種間の緊張ストレスがないために、彼らは落ちついていられるし、平和なんです。あなたたちの犬とネコも、時間は必要かも知れませんが、必ずこんな光景を見せてくれます。安心して結婚して下さい。嫁入り道具に犬1匹、最高じゃないですか!」

 昔、私の実家もそうだったが、田舎の農家の庭先では、ニワトリがうろつき、ネコがスズメを狙い、犬がそんな様子を見張っていた。
 彼らはその家の仲間を認識し、けして狩りの対象とはしなかった。それが家畜としての進化の証であり、憲法だった。
 なんでもかんでもストレスで語り、それを悪者にし、ストレスを避けることで問題を解決しようとする傾向に私は反対する。なぜなら、生き物は少なからずストレスによって自己を確立し、分子細胞レベルから意識上まで、偉大なる生きる力をもらっているのだから。



T R A C K B A C K

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