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何気ない日々の暮らし......積み重なって大きな変化が!

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2005年12月31日(土) 天気:晴れ 最高:7℃ 最低:−3℃


 1年が終ろうとしている。
 様々なことが起き、そして笑い、悩み、泣いた年だった。

 目の前に途方もない崖がそびえている。足下は崩れ落ちそうな柔らかい土である。
 
 でも、私は止まらない、止まるわけにはいかない。
 
 たくさんの命たちがすぐ横で見つめてくれている。
 たくさんの方々が、ともに過ごす時間を楽しんで下さっている。

 感謝をこめて新しい年を迎えよう。

 みなさん、ありがとうございました。
 
  2006年、よろしくお願いいたします。


 手に溢る  涙を抑うる  笑顔あり
  それは人々  そして犬ネコ(きみ)たち

 新しき   年は戌だと  犬に言う
  なぜか彼らも   ワンと応える

 抑えるな!  子の可能性  偉大なり
  親が障壁   なにおか言わんや



2005年12月30日(金) 天気:晴れ 最高:8℃ 最低:−7℃


 22日に誕生したサモエドのラーナの子犬を1匹、28日に生まれた柴犬のチャチャの産箱に入れた。
 子犬はすぐにチャチャの腹を探り、手近の乳首に吸い付くと音を立てて吸い始めた。
 チャチャは自分の3匹の子犬の中に加わった侵入者の鼻先、腹部、そして陰部を嗅ぎ、そこを舐め終えると後は知らぬふり、突然の、それも真っ白な子犬という大変化にも、驚いている様子も緊張もなかった。

 ここに犬たちの母性の不思議がある。
 生まれてすぐに機能している嗅覚に対して、子犬たちの視力、聴力が機能し始めるには生後3週間ほどの時間が必要である。それらがしっかりとして初めて自己主張が出現し、母犬からの刺激に対する個別の反応が示すことができるようになる。
 それまでの子犬は、ある意味で子宮の中に居る時と同じような胎児の段階と言える。これは子犬側からも母犬側からみてもである。
 
 では、なぜ母犬が抱きかかえ、授乳、添い寝、舐めての大小便の世話等、細やかに子犬の面倒をみるのか。
 それは子犬が様々な信号を発し、それを母犬が受信して主にホルモンによる反応をしているだけである。
 主な子犬からの信号を並べてみよう。

(1)体温(36、5〜37、5度程度、母犬よりも少し低め)
(2)声(ミューミュー)
(3)匂い(羊水臭さ、後に口の周辺のミルク臭さ、腹部、陰部 
   のミルク便臭さ)
(4)動き(ヨタヨタ動き、回転動き、乳首探しの動き)
(5)大きさ(自分よりも明らかに小さいとの認識)

 これらの情報が母犬に伝達された時に、母性をブロックしていた鍵が外れ(解発・リリースされ)、穏やかで細やかな、そして時に強い意志で子犬を守る母犬らしい育児行動が出現する。
 つまり(1)〜(5)は行動解発を起こさせるリリーサーと言える。

 別の言い方をすると、生後3週間頃までは、母犬と子犬の間に1対1の絆は存在しないと言うことになる。あくまでもその時期の子犬は、多種のリリーサーを同時に働かせて母親に育児行動を起こさせる物体に過ぎない。
 従って体温が30度以下に下がり動きが鈍くなった子犬は、母親は舐めようとも抱きかかえようともしない。やがて死が来ると、それは産室(巣穴)を汚す余計な物となり、布の中に隠されたり、しばしば母親の胃に収まる。

 上記の考え方の傍証として、様々なことが上げられる。例えば王国では、、、
(1)柴犬のブーが生後2日目のキタキツネの子を自分の子と同
   じように育てた。
(2)同じく柴犬のピコピコは子ネコのマイケルの母となり、ミ
   ルクだけではなく離乳食として食べた物を吐き与えてい
   た。
(3)数多くの生まれて間もない捨て子犬たちは、王国のメス犬
  (処女犬を含む)たちに抱えられ、授乳されて無事に育っ
   た。
(4)某動物園のライオンの子を育てたシェパードのように、異
   種の子供の乳母となった記録は数多い。

 その他、犬たちの不思議で素晴らしい母性の話はあふれるほど存在する。これは母性が曖昧な母心ではなく、ホルモンを中心とした生理学(ある意味で物理学)で築かれているからだろう。
 
 突然、腹部に居座り、自分の子犬よりも強い力で乳首を吸うラーナの白い子犬を前にしても、チャチャは驚かず、あわてず、ごく自然な振る舞いで対処していた。
 そこには、死産の子をミイラ化してもなお抱きかかえて守ろうとする猿などの、より進化した哺乳類とは異なる母性の世界がある。
 今、ヒトのニュースを見聞きするにつれ、あらためて犬たちの『種の宝物である子供たち』を守ろう、育てようとするシステムに想いを寄せる。そこには幼きもの全てへの愛があるのでは、彼らのほうが優れているのではないかと、、、、。

 3時間が過ぎ、チャチャの乳首に吸い付いていたラーナっ子を元に戻した後、ラーナが外に用便に出たとたん、チャチャはラーナの産箱に入り、5匹を嗅ぎ、自分の胸で過ごした子を見つけ出し、丹念に陰部を舐めていた。そしてその行為は他の4匹にも広がり、ラーナっ子たちの大便は綺麗に舐めとられた。
 初めて母となったチャチャ、犬として正しい母性をたっぷりと備えていた。



2005年12月17日(土) 天気:晴れ 最高:11℃ 最低:−5℃


 昨夜、緊急手術となったメキシカンヘアレス犬のカリンが戻って来た。
 出産予定日まであと3日というところで全ての胎児の死が確認され、子宮内が荒れていることもあり、切除となってしまった。
 もう子犬は望めない。無念ではあるがカリンが元気なのが何より。ヘアレス犬という特別な存在の難しさをあらためて知らされるとともに、古代から守り続けてきた中南米の人類の偉大さを再確認した。

 4匹の胎児、1匹ずつ死んでしまったようで、最後まで頑張っていた子は、ほとんど生まれる寸前の姿だった。もちろん毛のないタイプの姿、オス、、、、、産声を聞きたかった。

 サモエドのラーナのほうは順調である。普段は22〜23キロの体重が32キロになっている。こちらは子犬の過熟が心配される。ラーナおばさん、頑張れ!