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何気ない日々の暮らし......積み重なって大きな変化が!

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2004年07月29日(木) 天気:雨 最高:27℃ 最低:24℃


 日が変わってからキーボードに向かっている。
 断続的に強い雨が落ち、屋根をうつ雨音は横で寝ているタドンとタブのいびきを消してしまう。

 開国2日目は、台風の影響で雨の王国となった。幸いにも風は弱く、各所に掲示されている2万点近い写真は無事だった。それでも何カ所かは接着のテープがはがれ、やり直しのために収容した。

 犬やネコたちは、昨日からの大きな変化を、もう理解し始めている。慣れ親しんだ顔だけではなく、初めての顔、声、そして手が取り囲むことに順応しようとしている。
 それを喜んでいる子、それほど積極的ではないが事象を認めてようとしている様子が可愛かった。

 珍しく傘を手に王国の中を歩いていると、ひとりの女性に声をかけられた。
 その容貌に記憶があった。

 「8年前に、北海道でお世話になりました〇〇です。お世話になりました。あきる野での開国を楽しみにしていました、家が近いんです....」

 「おかげさまで、あの時、いしかわさんのお話を聞いたことがきっかけで、今、我が家には犬がいます。わんぱくですけれど可愛い子なんですよ。あっ、もちろん人間の子供も元気です、犬と一緒に寝ています、毎日...」

 「今日は雨なんで、子供は母に預けて、私一人で偵察と御礼に来ました。というか、実は日曜日に家族みんなで来る予定なんですが、待ちきれなくて、えへへ、来ちゃいました」

 8年前を完全に思い出した。
 赤ちゃんを産むに際して、周囲から犬を飼うなどとんでもない、危ない、汚いと反対されていた若いお嫁さんだった。
 私は、赤ちゃんよりも先に子犬を、と応えていた。もちろんその理由も詳しく説明して。
 7歳のゴールデンは、2年後に生まれた彼女の子供、男の子の大親友になっているとのことだった。老いも感じられず、「2人の男の子がいるようで、とにかく賑やかな家なんですよ」女性の言葉に、胸が熱くなり、アドバイスとも言えぬ私の言葉を信じて下さったことに、犬の備えている素晴らしいパワーに目頭が....。
 それを雨が隠してくれた。

 明日の新しき出会い、それを楽しみに、宿直の夜は雨音とともに更けていく。



2004年07月28日(水) 天気:晴れ時々曇り 最高:33℃ 最低:25℃


 何度目になるのだろう、自分の歩いて来た道を振り返り、その節目を数えてみた。
 小学校の入学は大きな変化だった。中学校の時に青函海峡を渡り内地(!)に行ったことも衝撃だった。そして上京、ムツさんを知り、北への回帰、王国への参加、女房との結婚、子供の誕生....。

 今日、そのどれをも超えるような節目の日を迎えた。
 東京ムツゴロウ動物王国のスタートである。派手な儀式も花火もない。静かにギアをローに入れ、ゆっくりと動き始めた。

 セコンドにギアを変えるのは秋だろうか、そしてサードは、トップは、オーバートップで120キロを超えるのは....。

 いや、おそらくいつになっても王国のギアはローのままだろう。しかし、最低速のギアであっても確実に前に進むことは確実である。そしてスピードがゆっくりとしているからこそ、周りの風景もよく見え、花々の花弁すらも目にとまるだろう。
 来られた皆さんの笑顔を見逃さぬスピード、それこそがムツさんが提唱する、マスコミニュケーション時代だからこそ逆に重要なミニコミュニケーションだろう。

 午前10時、暑い中、背広でご出席下さった皆さん、そして汚れてもかまわないぞーと覚悟(?)を決めて来られた服装の皆さんの見守られる中で、新しい王国は1歩前に進むことができた。

 まだまだ進化途上である。いいえ、日々の変化こそが命あるものたち、それが主人公の王国らしい。皆さんとともに、確実に前を向き、そして楽しさを基調に進んで行きたい。

 皆さん、どうか、よろしくお願いいたします。

 



2004年07月27日(火) 天気:晴れ 最高:35℃ 最低:27℃


 朝、なんとなく目覚めると、横にKクンが転がっていた。窓の横にはAクン、そして女房は少し離れた床の上でのびていた。机の上のプリンターに向かって腕枕で寝ていたのがMクン、みんな久しぶりに2時間以上の睡眠をむさぼっていた。
 
 4日前からの作業場暮らしには、ムツさんも中心になって参加していた。28日、明日の新しい王国の開国を前に、大企画とも言える写真展開の準備のためだった。1週間をかけて全てのポジフイルムを調べた。ルーペで覗いたカット数は20万を超える。その中から選んだ2万点余の写真が王国全域に提示され、大写真展開を形作る。
 
 おそらく、世界で始めての試みかも知れない。室内で、そして西多摩の緑、風、陽光のもとで、王国30余年の活動記録、ムツさんの海外探訪記録がプリントされて蘇る。
 そこに登場するのが写真の中の生き物たちである。画像と実像、その交差を皆さんに楽しんでいただきたい。10年前の我が家のマロと、今年14歳になるマロの姿の違い。それこそが生きる事であり、命の偉大さを感じる。
 
 午後、マスコミの皆さんを招いての会見があった。
 ハイジが食器を運び、テンとAJがヒリスビーを追いかけ、そしてクローバーが踊った。そうそう、チューレとリュートはカートを曵き、ダーチャは人を引っ張った。
 
 明日も、この元気な連中と笑顔で朝を迎えたい。
 そして、多くの皆さんと、
 
 『こんにちは』
 
 と挨拶を交わしたい。



2004年07月23日(金) 天気:晴れ時々曇り 最高:32℃ 最低:24℃


 申し訳ありません。
 先ほど掲示板に書いた文章を、そのまま転載します。
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 ムツさん、奮闘中! ウブ - 2004/07/24(Sat) 00:57 No.27787
 カウントダウンが始まり、メンバー全員が汗まみれになりながら、それぞれの準備をしています。今日からは、まさに臨戦態勢、ムツさんも目の前で徹夜覚悟の作業にはいっています。
 すでに外部へのゲートには鍵がかかり、みんな、このまま朝を迎えます。
 一部のマスコミでも伝えられましたが、開国にあたっての特別企画として、王国の30余年と世界をつなぐ、凄い写真展開があります。密度濃く、命の姿を展示します。ご期待下さい。
 さて、犬、ネコたちはみんな元気です。
 非常に暑い東京ですが、犬にとっての気温、特に暑さと被毛の関係などを、分かりやすく、そして楽しく実験等を通じて示す場もあります。たとえば長毛の犬をサマーカットする危険性などを...。
 皆さんといっしょに『命の不思議、命のシステムの凄さ、命の豊かさ、命の綿密さといい加減さ....』
 そんな事を楽しく語り合い、情報を持ち寄って1歩前に進みたいと思います。
 みなさん、よろしくお願いいたします。
 ヒロさん、あの本(雑誌)、いいですよね〜。ウブも夢中になりそうです。あきる野は対象物がいっぱいいます。野にも川や池にも。
 ご家族皆さんとの再会を楽しみにしています。
 キャットさん、浜中の海岸での乗馬、楽しんで下さい。そして息子には、少し家の中の掃除を、と伝えました。エの子ネコたちの写真、よろしくお願いいたします。実は、まだウブも見ていないのです。
 良き旅を〜!
 なおさん、牛たちが自由に入ることのできるプールが欲しいですね、こんな夏は。
 屋根に散水をされているのでしょうか。どうか穏やかな日々が戻りますように。北国出身の牛たち、がんばれ〜!
 それでは、仕事に戻ります。良き夜を〜!



2004年07月21日(水) 天気:晴れのち曇り、雷雨も 最高:36℃ 最低:26℃


 どうしても暑さのことを書いてしまう。
 目が覚めるとすでに灼熱の陽光、7時に30℃を超えていた。しかし、カレーの昼食を終えてしばらくすると雷が西の方から近づき、ひと降りとともにどんどん気温が下がっていった。
 夕方の犬たちの散歩の頃には27℃、北海道では十分に暑い気温だが、西多摩では涼しく感じられ、人も犬も元気に動く事ができた。
 さて、新しい王国の開国準備、着々と言いたいが、あと1週間となると、状況を眺め、果たして間に合うのかとの心配が出て来た。
 なんとしても良きスタートを切るために、ひたすら前進あるのみ、明日もファイトで行こう。



2004年07月20日(火) 天気:晴れ 最高:38℃ 最低:26℃


 猛暑だった。
 都心では39、5℃とか、体温のほうが低い、ということは動かずにいることか。
 日が暮れても30℃以上、でも犬たちは元気である。



2004年07月19日(月) 天気:曇り時々晴れ 最高:34℃ 最低:24℃


 日記のページを開いて唖然とした。前回の記入日が七夕、なんと2週間近くの時間が過ぎていた。
 いくら忙しいと言っても、それは弁解にならない。たとえ1行でも、必ずその日のことを書こうと決心していた自分に、そして寄って下さっている皆さんに恥じる行為である。
 ただただ頭を下げるだけである、申し訳ありません。

 新しい王国予定地では、まだつち音が絶えない。それに加えて生き物の動きも加速、そして開国記念の企画の準備も、ほとんどのメンバーが徹夜に近い状況で対処し、少しずつ進んでいる。
 間に合うのだろうか、という疑念と不安は吹き飛ばし、今は前に向かうだけ、考え、立ち止まっている暇はない。

 このところ、我が家の犬グループに山本家のヘアレス犬中心のグループが合体して散歩をしている。もちろん、新しき土地での出会いなので、そして互いに社会性を持った連中なのでトラブルは起きない。それどころか、山本家グループの十兵衛などは、ちゃっかりと石川グループの本拠地に入り、心地良さそうにクーラーを浴びている。
 玉付きのクラウン、アパッチなどとオビ、シバレ、マロ、センそして若雄柴たちの間でも仁義を尽くした共存関係が生まれている。
 これは、新しい王国の展開に対する自信となっている。犬と犬の関係に関して、大いに主張し、ドッグランなどを通して実践していきたい。少しでも楽しい犬たちの交流の輪ができるように微力を...と願っている。

 
 



2004年07月07日(水) 天気:晴れ 最高:35、4℃ 最低:26℃


 七夕の日、天の川は、水遊びの人でにぎわったのでは。1年に1度の出会い、スムースにできただろうか。

 
 つち音に  蝉が和し啼く  あきる野か



2004年07月06日(火) 天気:晴れ 最高:33℃ 最低:24℃


 33年ぶりの東京生活である、何度書いても許されるだろう、
 『暑い』『暑い』『暑い!』

 蝉が発情中の柴犬となってきた。。。シグレ。
 新王国の中にある大きな池(秋川湖と名が付いている)に、親子のカルガモがいた。ふたつある島のどちらかで繁殖をしたようだ。
 我が家の犬、ネコたち、ヤマちゃん家のヘアレスなどが雑居をするスペースにある側溝に、人間が近づいても石の上から逃げないウシガエルがいる。いつの間にか酷い名前が付いた、ア〇ガエルである。この子は可愛がられている。
 新築の犬小屋の屋根の下などにナナフシがいた。見つけたキョウタくんが大喜びをしていた。こんな大人が私は大好きだ。
 アベくんは昆虫、カエル、ヘビ等に詳しい。そうそう家電も得意、貴重な戦力である。
 女房は、その声などでどこにいるかがすぐに分かる。従って携帯は持つ予定がない。
 我が家の生き物たちの周辺に、新しい戦力が6、7人加わっている。若さが眩しく、汗が頼もしい。彼らは多くの事を緊急で学ばなければならない。その時に重要なのは、そう『何故?』の心である。そして聞く前に自分で調べることも必要だ。
 33度、サモエドのダーチャ、柴犬たち、レオンベルガーのカボス、ラブのセンは木陰で耐えた。便も正常、食欲旺盛、小便は少し濃い。
 様々な事が進み、いよいよ開国だけに心を集中できる状況になった。その日まで、睡眠時間は無きものと思うほどのスケジュールが始っている。私は、わりと得意なシチュエーションかも知れない。
 カボスの誕生日祝いをメールでもらった。いつものように忘れていた私だが、その妹のレオナ(行方不明になっている)に想いを寄せた。とにかく元気でいるように....と。飼い主のTさんからは、昨日、分厚い封筒が届いていた。レオナの姿があふれていた。この子は短い期間のうちにTさんに連れられて、全国各地に行った兄弟に会っていた。穏やかで、そして可愛い姿、私も女房もけして忘れない。日々の成長を想像し、今の顔立ちを頭に浮かべている。

 明日も暑くなるとの予報、張り切って1日を送ろう。



2004年07月05日(月) 天気:曇り時々晴れ 最高:31℃ 最低:23℃


 あきる野市の市長による『東京ムツゴロウ動物王国』の安全確認が出された。3度にわたる対策委員会の結果をもとに、これからの対処を協定書等で決め、その上での結論である。
 5ヶ月にわたる様々な議論の当事者のひとりとして、民主主義社会のあやうさ、脆さ、そして確からしさなどを、人の心のあり方を含めて勉強させていただいた。
 王国は、開国の時から先ず生き物たちの健康、幸せを基調に活動してきた。その王道が認められたと喜び、今はただ、より多くの方々と笑顔での出会いがある新しい王国の開国に向け、全力を尽くそう。



2004年07月03日(土) 天気:晴れ、小千谷は曇り 最高:28℃ 最低:20℃

 今日だけがチャンス、と思いつき、女房の実家に車を走らせた。新潟県小千谷市、あのコシヒカリの産地である。
 私は14年の無沙汰である。着いてすぐに義父の墓前に線香を上げ、急な訪問でおごった〜(たいへんだ〜)と言う義母と早口で会話を交わした。



2004年07月02日(金) 天気:晴れ時々曇り 最高:28℃ 最低:22℃


 メールで、そして電話で、さらに顔を合わせた方から、たくさんの言葉をいただいた。

 『良かったですね〜、早くオープンして下さい』

 『おはようございます、新聞見ました、いよいよですね。。。』

 『今度は、暑さとの闘いですか?頑張って下さい、動物たちも皆さんも』

 『夏休みに九州の孫がくるんですが、王国、やってますよね?みんな楽しみにしてるんですよ。。。』

 『粘り強さに拍手です、辛抱されましたね。。。』

 『マロ親分にいつ会えるでしょうか?うちの子をお父ちゃんに会わせたいです、早く!』

 『王国の皆さん、そして委員の皆さん、ありがとうございます。私もエキノコックスのことがよく分かりました。。。』

 『川向こうに住んでいるけど、そんなに犬が来てたんだね。でも無駄吠えが聞こえないな〜。王国の犬は啼かないの?』

 『うちの犬はわがままに育ててしまったんで、リーダーだと思ってるんですよ、困ったもんで。。。今度、しつけを教えて下さい、連れていくから。。。。』

 『良かったね!』

 『馬に乗れますか?楽しみにしてます。。。』

 『おめでとうございます。これでスタートラインを越えましたね』

 『入場料はいくらですか?会員とか年間パスポートとかあるんですか?食事は?』

 『忙しいことと思います。何かお手伝いできることがあったら、いつでも声をかけて下さい。飛んで行きますので。。。。』

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 皆さんの声を、満月の下でマロたちの散歩の時に伝えた。マロは明らかに尾を振り、池のカエルがバウバウと応え、八王子側の山からはフクロウの啼き声が響いてきた。
 
 日中、きょうたクンとあべクンは、犬たちの抜けた冬毛を糸に紡ぐトレーニングをしていた。教えるTさんも笑顔、いよいよ開国に向けてだけの時が流れ始めた。もし、愛犬の冬毛をキープしている方がいたならば、ここで毛糸に替え、自分の帽子やセーターを編むのも楽しいだろう。
 家畜と言われる生き物たちとの文化を楽しむ空間、それが王国、私も楽しみである。



2004年07月01日(木) 天気:晴れ時々曇り 最高:28℃ 最低:22℃


 『東京ムツゴロウ動物王国開国対策委員会』

 今日、あきる野市役所で開かれた会合の正式な名称である。3月25日に第一回、4月19日に第二回、そして梅雨の気配の薄い夏日の今日、第三回目がセッティングされた。
 対策とは、もちろんエキノコックスに関することである。犬、ネコが終宿主となる寄生虫を本州に持ち込まないために、様々な検査、投薬、そして再び検査と厳しゲートを設けて対処をした。
 
 4月末から始った移送は6月中旬に終わり、24日には全頭の抗原検査陰性が確認された。その結果をもとに会議は進行し、最終的に手法、そしてその結果の安全確認が行われた。
 お忙しい中を、科学的な手法による安全対策を提案、そして実行確認に携わって下さった委員の皆さん、事務を執り行った市役所の皆さんには感謝の一言である。

 以前にも書いた記憶があるが、エキノコックスは全てが解明されている寄生虫である。それを確認する手法(抗原検査)、駆除の薬(終宿主においての)も存在している。いわゆる叩きやすい疾病とも言える。正しい手順を踏む事で無用に怖がる必要はない、そんな寄生虫である。
 今回の事象を通して、一人でも多くの方が、正しくエキノコックスを認識してほしい、そう願うばかりである。

 あきる野での検査を指導して下さった東京都獣医師会のM先生、S先生のご報告の中での言葉...
「王国スタッフは、検疫マニュアルを遵守し、終始真摯な姿勢で検疫に協力した。これは評価されるべきことである」
 座長のY先生の最後の言葉...
「日本の社会で様々な問題が起きている今こそ、生き物と人の絆を通しての展開を期待しています」
 
 ありがたく、そして厳しい戒めとして強く受け止め、今回、科学の目でしっかりと見つめて下さった皆さんに感謝申し上げたい。

 ありがとうございました。