お車は乗りあわせてお越し下さい
と言う表現は「駐車場が足りない」と取られがちですが、そうではありません。
当院の限られた人員と施設で、いかに効率よく安全に予防接種をしようと考え抜いた末の作戦なのですが、私達は国から
は、「 予防接種後15分間の経過観察を行なう」
という指示を受けています。
これはアナフィラキシーというアレルギー反応の大親分みたいなものが起きる可能性があることに起因しています。
ナナフィラキシーは、体に合わない薬剤を摂取した、アレルギーが起こる食材を誤って食べてしまった、スズメバチに刺された、といった時に起こりますが、極めてまれではありますが予防接種のあとも起きることがあります。
現在使用しているファイザー社のワクチンでは10万回に1回程度起こるとされていますので、根室管内の0才から100才までの全ての人が予防接種を行なって一回起きるかどうかという低度です。
めったに起きないことですし、起きた場合にそなえた準備も万全にしているので、適切な処置を行なえば問題はありませんが、対応が遅れると命に関わる場合があります。
そこで国はアナフィラキシーが最も発生しやすい注射後の15分間を経過観察のための時間とし、すばやく発見し適切な対応をするよう私達人に求めているわけです。
このため、予防接種会場には接種後の待機スペースを設けるのが一般的です。
しかしながら、接種後の待機中に「蜜」が発生した場合に、「 予防接種に来て、新型コロナウイルスに感染する」という事が「絶対に無い」とは断言できません。
そこで当院では、「 駐車場の自家用車の中で15分間待機する」というシステムを採用するに至りました。
自家用車の中であれば、他人と接触することがなく、感染防御の上からは理想的と言えます。
当院はスタッフも少なく、建物内のスペースも限られていますが、駐車場だけは無駄に広いので、接種後は駐車場内でお車の中で待機していただき、何か変わったことがあればクラクションを鳴らしていただければ私達が気がついてすぐに駆けつけて対応するという方法を思いつきました。
しかしながら、お車の中でお一人で待機する場合には、クラクションを鳴らす前に意識を失う可能性があり、それは「発見の遅れ」「症状の進行」「取り返しのつかない事態」に発展する可能性があるために、お一人で来院された方には15分間院内で待機していただくことにしております。
お車の中に二人以上の方が乗っていれば、万が一気を失っても他の方がクラクションで知らせていただければすみやかな対応ができるので、接種を受ける方同士でなくとも、お二人以上で車内待機ができる方には、先にのべた 感染防御の観点から「車内待機」を強くおすすめします。
それで「 乗り合わせてお越し下さい」ということになります。
その際には、是非おやつとお茶を持って来ていただくことをを加えておすすめします。
「接種後、車内で待機」という方法は、すぐに駆けつけられる所に人数分の駐車スペースが無いとできない事なので、もしかしたら 「日本中でうちだけ」かもしれません。
この方法を思いついた時には「 俺って、頭いいカモ」って思いました。
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