毎年クリニックにいらっしゃる多くのお母さん達にお話しているのですが、
この、お知らせのページにも載せさせていただきます。
医者によって言うことが微妙にちがうのですが、当院ではインフルエンザの
1回目を10月に入ったらすぐに、2回目は4週間の間隔をしっかり開けて遅くとも11月中には受けて下さいとお話しています。
その理由は
#1 ワクチンの効き目
四種混合でも、麻疹風疹でも、予防接種と名の付く物は、
身体の中で免疫反応が終了するまでに約4週間を要します。
打ってもすぐには効かないのです。
#2 なんで2回打つ?
お子さんの場合にはワクチンを2回接種しますが、それは1回では効き目が心もとないからです。
そこでもう1回接種して「
二段ロケット作戦」として、しっかり効かせようという考え方です。
となれば、二段目は、一段目がピークに達する高さになるのを待って発車すべきわけなのですが、それが先の「4週間」なのです。
ワクチンのトリセツにも「
4週間以上開けることが望ましい」と記載されています。
#3 いつになってら効く?
満を持して発射した二段目もまた体の中で免疫反応が終わるまでに4週間を要するわけですから、ワクチン接種を始めてから効き目がピークに達するまでには
4+4=8週間、約2ヶ月かかるわけです。
#4 一方で流行は?
毎年のように「今年はいつごろ流行しますか?」とたずねられますが、私にはわかりません。
しかし
経験的には12月には既に流行していることが多いものと思いますし、11月、時には10月の流行も経験しています。
今年は9月上旬には北関東の方で学級閉鎖になりました。
#4 ぢゃあ、いつ打つ?
「
今でしょ!」ていうのがオチなんですが、12月にしっかり効いていてほしいと思うのなら、
2ヶ月前倒しで10月ということになります。
「早く打つと、早く切れる」とおっしゃる方に限って「
効くまで2ヶ月」がカウントされないようです。
#5 北海道の昭和の常識
北海道のインフルエンザにかかわる昭和の常識を以前に聴いたことがあります。
それは
「内地の人たちが大挙して押しかける
2月の札幌の雪祭りでインフルエンザが内地から持ち込まれる」
「その後、スーパーおおぞらに乗って、道東までたどり着く」
って言うやつで、「
流行は2月3月、早く接種する必要はない」って言うことです。
#6 昭和は遠くなりにけり
平成も終わろうとしている昨今ですが、時代は確実に変わっています。
内地との人の行き来は増え、さらに中標津町は渡り廊下で羽田空港とつながっています。
流行に関しても「
内地並み」で考えておいた方が無難です。
#7 解禁日
インフルエンザの予防接種には、ボージョレーヌーボーと同じように「解禁日」というものがあります。
それは、全国共通で10月1日です。
解禁日が10月1日に設定してあるということは、「
10月1日に打っても早すぎることはない」ということです。
横浜で勤務医をしていた頃には、10月1日になると「待ってました!」とばかりに多くの方が接種にいらっしゃいました。
内地には「12月になったらもうインフルエンザの予防接種はしない」というお医者さんもおり、それはイジワルではなく「
悪いことは言わんから、10月11月で打ち終わってね♪」という、メッセージなのです。
#8 てなわけで
既に10月1日を過ぎているので、1回目の接種は「さっさと来て下さい」ということになります。
接種のタイミングが、何らかの理由で遅くなっても「遅すぎて、節水しても意味がない」ということはありませんが、わざわざ待つ必要もまたありません。
だから、
10月に入ったらいつでも「今でしょ!」が正解なのです。
先の日本脳炎の欄でも書きましたが、別海病院でのインフルエンザの予防接種は例年11月より開始されています。
「それなら早く受けたい」という方は、当院におきましても別海病院と同額で接種を受けることができます。
ご検討ください。